VAIO typeT(TZシリーズ)に使えるSSDはどれだ?(前編) [VAIOネタ]
前回、
VAIO typeT(TZシリーズ)の2.5インチHDD単体モデルを
バラすとこまでやったので、
次に、SSDに載せ換えをしてみる。
ところが、
今までの自分の経験上からすると、
ただ単純にHDDからHDDへ換装する場合、コネクタの規格が合っていれば
ワリとすんなりとリカバリーまで行けてしまってたのに、
SSDに関しては、
登場して間もない事もあって、
稀に本体がSSDを認識してくれないという状況に遭遇する。
その一例として、
VAIOノートの
VAIO typeT(TZシリーズ)の「TZ90~TZ93」と、
VAIO typeS(SZシリーズ)の「SZ90~SZ93」に、
一部のSSDを載せた場合が挙げられる。
・VAIOのHDDをSSDへ換装する場合のトラブル報告と注意点。
・VAIO typeS(SZシリーズ)をSSDへ換装する際の注意点と作業手順。
まさに自分の持ってるモデル(VGN-TZ91S)も
それに該当していて、
手持ちのSSDで、きちんと認識してくれるのかどうか?
というテストをしてみた。
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SSDを1台づつ組み込んで、
リカバリーをして、初期セットアップまでが無事に行えるか
というのが一番の目的。
それに加えて、
TZシリーズは、Serial ATAの規格が、
今よりも一世代前の「Serial ATA150(Ultra SATA/1500)」なので、
転送速度の最大値が150MB/sまでという壁もあって、
高速化したSSDがどれだけ速度を制約されるのか
という結果も知りたかったので、
うまく認識されたSSDには、それぞれ
CrystalDiskMark2.2、HD Tune Pro 3.50、PCMark Vantage
でもデータを集計してみる事にした。
参考までに、
現行のSerial ATAは、「Serial ATA300(Ultra SATA/3000)」で
最大転送速度は300MB/s。
試したSSDは、以下の5つ。
・PhotoFast製「G-Monster V2」
・OCZ製「OCZSSD2-1VTX60G」
・Samsung製「MMCRE64G5MXP-0VB」
・Samsung製「MCCOE64G5MPP-0VA」
・Intel製「X25-E」
えっと、
ここで結果を先に言ってしまうと、
もう5つとも問題なかった・・・。
てっきりどれか1つが2つくらいは
認識されなくて、うまくいかないと思っていたのに
リカバリー作業がどれも順調に完了してしまって、
結局、全てのSSDで最後まで検証するハメになったので、
データを録り終わるのに丸々3日もかかってしまった。。
という事で
以下、TZシリーズ内データベースとして。
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【基準値として元のHDDの性能】
元から付いていたHDDは、
富士通製「MHY2200BH」の9.5mm厚2.5インチHDD。
容量は200GB、回転数は5400回転/分、
キャッシュは8MB、
インターフェースはSerial ATA150。
当時、いたって標準とされるHDD。
今回、SSDをリカバリーする際に
1つ共通させているのがリカバリー領域。
リカバリー作業時に、
リカバリ領域は消さずに残しておいたので、
全てに共通してCドライブ以外に、
リカバリ領域として「7.67GB」という容量が別に占有されている。
富士通製「MHY2200BH」は
リカバリ領域を差し引いたCドライブが約178GBで、
初期セットアップでの空き容量は約153GBとなっていた。
データを入れるには
これくらいあると十分な容量と言える。
続いて、ベンチマークテスト。
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●CrystalDiskMark2.2
『100MB』 『1000MB』
●HD Tune Pro 3.50(読み込みテスト)
『Read 64K』 『Read 512K』
『Read 8MB』 『Random Access Read』
●PCMark Vantage(HDD Suite)
HDD Test Suite: 2155.0
読み込みも書き込みも遅い。
さらに、ディスクの外周と内周ではどんどん速度が劣化していってるし、
ランダムアクセスが際立って遅い。
Windowsの起動だとか終了といった
スパンの長いアクションであればそこそこ速く動いてくれるものの、
一般の作業をしようとすると
ただアプリの起動も、ファイルの呼び出しも
Windows Vista上では、何をしてももたつきを感じる。
やはり体感速度を良くするには、
ボトルネックとなるストレージの転送速度を
上げる事が重要だと痛感させられる。
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1.)PhotoFast製「G-Monster V2」
一番最初に試したのがPhotoFast製の「G-Monster V2」。
MLCタイプのSSDで、
公称値では、読込速度230MB/s、書込速度160MB/sという
高速性が謳い文句。
ただし、
コントローラチップはJMicron製「JM602」で、
「JM602」2つを内部でRAID 0させて高速化している。
TZシリーズで、
認識されなかったSSDの特徴として挙げられるのが、
JMicron製のコントローラチップを搭載したものだったので、
もしかしたら、
「G-Monster V2」では、リカバリがうまくいかないのでは?
と言う不安が実は一番大きかった。
そう思いながら始めただけに
確かに、リカバリを開始した直後に、
異常にその進行具合が遅くて
これはもしかしたら
フリーズしてしまったかも?と思ってしまったけど、
しばらく待ってみると、
少しづつ進んでいって、最終的にはリカバリーは完了。
リカバリーにかかった所要時間は、約3時間。
結構かかるもんんだなと思いつつも、
その後、初期セットアップをすませる。
起動後のVAIOのセットアップは、
とてもサクサクと進んでいったのだけど、
今度は、
ベンチマークソフトをインストールする際に
かなり待たされた感があって、
どうもSSDへ書き込みする作業になると
極端に悪い印象をここで覚えた。
「G-Monster V2」の容量は128GBのもの。
リカバリ領域を差し引いたCドライブが約109GBで、
OSとアプリケーション以外の容量は約93.8GBとなっていた。
これくらい空き容量に余裕があるといいのだけど、
市場ではまだ120GBクラスや250GBクラスのSSDは、
MLCタイプでもまだ値段が高めなのが苦しい。
まずひとまずは、
無事に動作できたので、
以下からはベンチマーク。
VAIO typeZに「G-Monster V2」を載せた時は、
シーケーンシャルのリードライトともに、
公称値のとおり伸びがよかったけれど、
Serial ATA150の転送速度制限下での成果はどうなるだろうか。
・VAIO typeZに赤いSSD「G-Monster V2」を載せてみる。
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●CrystalDiskMark2.2
『100MB』 『1000MB』
●HD Tune Pro 3.50(読み込みテスト)
『Read 64K』 『Read 512K』
『Read 8MB』 『Random Access Read』
●PCMark Vantage(HDD Suite)
HDD Test Suite: 8840.0
「G-Monster V2」の得意分野とされる
シーケンシャルのリードとライトともに
VAIO typeZへ組み込んだ時と比べると、
公称値の約半分くらいしか性能を発揮できていないし、
もともと高くないランダム性能にしても
結構な落ち込みが見てとれる。
それでも、元のHDDと比べると雲泥の差で、
実動作ベンチとされるPCMark Vantage(HDD Suite)の
スコアを見ると4倍にもなる。
Windows Vista上でいろいろと触ってみた感覚としては、
SSDの読み込みの速さはしっかりと感じられて、
アプリの立ち上げだとか入っているデータの読み出しは
確実に速くなったと感じられる。
ただし、
アプリをインストールするだとか、
大きなデータをSSDに入れるといった
書き込み動作が入ると
「あれ?遅いぞ?」という感覚が、このSSDには間違いなくある。
それと、
「G-Monster V2」で気になったのは熱。
ひととおり使って、SSDを取り外そうとして手にした時に
結構な熱を持っていた。
VAIO typeZに組み込んだ時に同じようなテストをしても
あったかくなる程度で、ここまでではなかった。
それに、他のSSDではまずなかった現象で、
熱を持ったまま長時間使うとなると、
TZシリーズのように極端に小さい筐体に収めるには、
少し不安要素になるなと感じさせられた。
と、
やっと一つ目のSSDの検証がおしまい。
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こんな調子で、あと4つのSSDの検証が続く。
やっぱり長くなったので
残りは後編で。。
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